スプリットステップの練習法(案)

先日アップした「移動の本質とスプリットステップ」の最後にも書きましたが、やはり導入が難しい場合があるようです。ここは何か練習法を提案しなくてはなりません。

ところが私にはなんの指導経験もありません。もちろん指導理論に精通しているわけでもありません。そこで、「学ぶは真似ぶ」という格言を頼りに、ここでも東龍の片下選手を参考に練習法を考えてみました。

その名もぴょんピョンポンレシーブです。

ぴょんピョンポンレシーブの説明

まずは簡単に説明してみましょう。 ぴょんピョンポンレシーブの足運び図

図で足の運びはだいたいわかると思います(青丸が右足、赤が左足です。1〜4の着地はほぼその通りで構いませんが、5と6はあくまで着地予定地です)。球出し人は、選手が正面にピョンと跳んで来たときにポールを投げ、拾わせます。導入初期は左右にランダムにボールを出してあげると良いでしょう。上達してきたら前も含めさらに後ろも入れても良いでしょう。

このドリルのポイントは球出しのタイミングです。選手はピョンと跳ぶとき、5と6の足運びの着地は同時に着地することも出来る体勢をつくります。そして球出しのタイミングは、この着地で接地点移動を兼ねることができるタイミングです。本来のスプリットステップはタイミングをレシーブ側が合わせなければなりませんが、このドリルでは球出し人が合わせてあげます。こうすることにより、自然と接地点移動を兼ねた着地+素早い一歩目が引き出されるのではないかと考えています。

ぴょんピョンポンと跳ぶリズムは、遊びのケンケンパにとても近いです。しかしケンケンパは「パ」の着地で動きが止まってしまうので、あまり選手が意識するのは望ましくありません。「ポン」と弾んで一歩目が出るのが目標だからです。

ステップについて図を補足します。数字のとおり足を移動していくのですが、1と2、および3と4の着地はあまり時間差がないようにします。離地についても同じです。

5と6の矢印の動きが「スプリットステップ」なので、リラックスして徐々に脚が開いていきせます。そしてここが大事なのですが、5と6の着地は接地点移動を兼ねたいので、選手にとって右にボールを出したときは左足から着地、左にボールを出したときは右足から着地するのを球出し人は確認します(※1)。それが出来ていないなら、球出しのタイミングが遅いと言って良いでしょう。次からもう少しタイミングを早めるように修正していきます。この練習は球出し人の観察眼がとても大切です。

(※1)この着地の順番は例外のある原則です。例外は「ピョン」のときの横移動が速い時などに起こりえます。選手が左にスプリットステップのジャンプをし、着地ですぐに右に切り返すためには、右足から着地してまずは減速しなければならない場合があるということです。この場合は着地が接地点移動を兼ねているか容易にわかると思います。右足が予定着地点よりかなり左に移動するからです。練習初期では、図よりも球出し人の正面方向からスタートしたほうが良いかも知れません。

興味を持たれた指導者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ試していただき、ご意見を聴かせて頂きたいと思います。よろしくお願い致しますm(_ _)m

プリンタ出力用画面
前のページ
移動の本質とスプリットステップ(2/2)
コンテンツのトップ


投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。

投稿者 スレッド
mini
投稿日時: 2006-4-26 15:38  更新日時: 2006-4-26 15:38
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-4-21
居住地:
投稿数: 34
 Re: スプリットステップの練習法(案)
何年もロム専門でみなさんの意見や情報を見て参考にさせてもらっていたのですが、今回の内容があまりにヒットしたため、思わず横から参加せてもらいます。はじめまして、miniです。よろしくお願いします。小学生女子を指導していまして、レシーブ時に一歩目の出足が悪く、何度言っても動ける状態にないのでどういえばいいのかな?と思い、ここで見ていたらばっちりのネタだったのでとりあえず実践してみました。結果から。。。

引用:
ざぶたねこさんwrote:
難しいのは球だしをする指導者側の方のタイミングとボールの速さです。タイミングは指導者側も練習しなくてはなりませんが、ボールの速さはある程度速いほうが、レシーブ側も合わせやすいようでした。


思いっきりそのとおりでした。どのタイミングで球出しすればいいの???という感じで、ふわっとしたボールでは余裕がありすぎて接地してからどっこいしょと動くかんじになります。そう思えば確かにボールは速いほうがいいと思います。しかし、その場合も子どもたちは出たボールにむちゃくちゃあせってしまい、どちらの足に重心を置くのか意識できないようです。ちょうど良いタイミングでこちらがボールだしできればいいのですがね・・・

引用:
たれいらんさんwrote:
自然には接地点移動が出来ない、つまりそういう動作のパターンが身に付いていない子もいるかも知れないな、と思いました。ピョンと飛んだ瞬間に合わせてボールを出してもいったん着地して足を踏み替えてから走り出すような子です。このような子はいるのでしょうか?


こんな子、思いっきりいますよ。上でも書いていますが、来たボールにあせってしまい、どちらの足に重心を置くのか意識できず、最悪な状況の子は左に来たボールに対し、左足に重心を乗せ、右足をクロスして出すなんて子も。一応、意図したことを事前に説明したのですが、頭で意味は理解できてもとっさにそれを実践できないみたいですね。一番いいのは説明が足りなくても自然とそうなる練習(まさにたれいらんさんの思われている形でしょうね)があればいいのですが。そういう意味では、ざぶたねこさんの
引用:
最初は右にボールを出す、とか約束ごとにして、着地の足順を練習させました。

が現実的かなと思いますね。

いずれにしろ、まだ、始めた段階なのでもう少し様子を見ながらやっていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

返信 投稿者 投稿日時
 Re: スプリットステップの練習法(案) たれいらん 2006-4-27 4:31
    再トライ報告です ざぶたねこ 2006-5-1 15:38
      Re: 再トライ報告です mini 2006-5-2 14:31
        より良い(案)に発展させましょうよ ざぶたねこ 2006-5-3 2:30
:: サイトメニュー
:: オススメ書籍

セリンジャーのパワーバレーボール

¥4,893 (税込)

バレーボールの辞書的教科書です。著者はオリンピック銀メダル監督で、現パイオニアレッドウィングス監督をされているアリーセリンジャー氏です。そしてこの本はその堂々たる経歴に劣らない優れた内容を持っています。
セリンジャーのパワーバレーボールについての詳しい書評やコメントはこちら

:: アクセスカウンタ
今日 :73
昨日 :149
総計 :5144513
平均 :782
taquino.net
:: スポンサード リンク