最近登録したばかりの　山兄Ｓと申します。

ここでの活発な議論や、たれいらんさんのへりくつなどが
非常に参考になったり、考えさせられてみたりと
読んでいて非常に楽しいので登録いたしました。

突然ですが私は今、自分の母校である新潟県のＹ中で外部指導員をしていますが、
なぜやる事になったか？などを話させていただきます。
（長文です。すいません！）


2004年10月23日、新潟県中越大震災で全村非難となった旧Ｙ村が私の故郷です。
今、そこに住んでいます。(2006年9月にやっと戻れました。）

過疎化のため子供も少なく、現在Ｙ中は全校で40名ほどの
小さな学校だが、私の入る前からバレーはそこそこで
県の上位にもたびたび入っていました。(全国的に見ると新潟県のレベルは低いが・・・。)

2004年度の夏、3年生が引退して2年生3名のみが残りました。
1年生はいません。2年生の男子は3名で男子全員がバレー部でしたが
1年生男子は入ってはくれませんでした。
それでも、たった3人になってもバレー部の火は消すまいと
彼らはがんばって練習していました。来年の1年生と一緒に
また6人以上揃えてがんばろうと・・・。
たまたま中学校にその9月に仕事で行った私は、たった3人の彼らの練習を見て
寂しさを感じました。
「6人でバレーボールしたいだろうにな・・・。｣

私は地元のママさんバレーチームの監督をしていて
その時に、それを知っているＹ中の教頭先生と練習の事を話していると
「山兄Ｓさん、子供たちに指導してもらえんかね？」
という話になりました。
実は私のせがれが、次の年に中学校に入学というのも知っていて
私のせがれの学年にできるだけいっぱいバレー部に
入ってもらいたい、との希望もありました。
家に帰って、せがれにその話をすると
「ぼくはバレー部に入るつもりだしいっぱい同級生を誘うよ！」
私はすぐ次の日に、教頭先生に｢来年もがんばりましょう！｣
と答えました。

早速、私が小学校6年生対象にバレーボール教室を開こうと準備を始めました。
もちろん、次の年にバレー部に入る子を育てるために・・・。

そこに来ました・・・。
大地震、すべてがやられました。
家、道路、水道、電気、ガス、通信・・・、全て一瞬で破壊され寸断。
私の家も全壊しました。そして全村隣のN市へ避難。

私がＹ中バレー部再生の為に動き始めたのはそんな最中でした。
地震直後は部活はおろか、学校さえどうすればよいのか・・・、
そんなでした。しかし市町村合併を予定していた隣のN市に避難して
仮設住宅を準備してもらい少し落ち着き始めた頃、再びバレー熱がｽｲｯﾁｵﾝ！
間借りしていた学校は人数も多く週に1時間しかコートは使えず
毎週、月、金曜日の夜2時間、仮設住宅に近い小、中学校に会場を提供してもらい
2005年2月バレー教室を開始しました。(Ｙ中バレー部も一緒に！）
何もこんな大変な時期に部活、バレーボールなんて・・・。
そんな雰囲気も学校、保護者の中にありましたが
｢苦しいときこそ、困難な目標に向かおう！今ここでがんばる事は
必ず子供たちの将来の財産になる！がんばる姿を見せて
支援をくださった全国の方たちへの御礼をしよう！」
と始める事にしました。

2005年夏、3人の3年生、8人の1年生のＹ中バレー部は
県大会手前の地区予選の1回戦で負けました。
しかし彼ら3人の3年生の努力は、自信を持って良いものだと思っています。
つらい、大変な中、がんばりました・・・。
最後に負けても彼らは下を向きませんでした。
ここで終わらせたくなかったのでしょう、次をいく1年生に、
「Ｙ中は地震で勝てなくなったなんて言わせんな！お前らは勝て！」
と言ってました。
帰りのバスの中、一番前の席で後ろの1年生に見えないように
こらえきれず声を抑えて泣いていた彼ら3人の姿に、
私と顧問の先生は「次こそ勝ってやる！｣と誓いました。

その後、少しでも練習をするため1年生のみのＹ中は練習場所の確保が難しいので
しょっちゅう練習試合にいきました。でもなかなか簡単には勝てません。
2005年10月、新人戦直後、県内から１２校集まる練習会に行きました。結果は全敗です。
県内でも私たちのところは被害がひどかったため、そこで他校の監督から
「練習場所もなくて大変だね、仮設住宅は大変だしね、学校も間借り・・・、
そこにきて1年生だけじゃ大変だね。2年生主体のチームに負けてもしようがないよ。｣
Ｙ中バレー部はそう言われました。　慰めもあってでた言葉であろうが・・・。

地震で練習場所も時間もないから負ける？
過疎で人数がいなくて1年生だけだから負ける？

違うだろ！弱いから負けるんだ！
バレーボールがうまくできなくて負けるんだ！

私は悔しくて、不覚にも帰り際なみだ目になっていました。
それを見て選手達は私にこういいました。
「僕たちは地震があったから負けているんじゃない！」
「勝って、やっぱりＹ中はがんばっているって言わせたい！」
「人数が少ないから負けるなんて言い訳にできない！｣
と・・・。


選手達の合言葉は｢県優勝｣です。彼らはバレーボールを通じて、自分達のがんばりを表現したいのです。
勝ちが全てではないとも思うし、努力の過程を大事にしてもらいたいと私は思っています。
でも、やっぱり勝てればそれに越した事はないです・・・。
すごく仲の良いチームです。(これが人数の少ない良いところかな！)
私の見たところ(といっても私はへっぽこ指導者ですが・・・。）
県優勝はかなり難しいと思います。が今、私はこの選手達を本気で県で優勝させたいと考えています。
（自分の息子がいるからという訳では決してありません。）
そのためにＹ中バレー部はどんな事をしたらよいのか？
バレーボールに対するどんな知識、練習が必要なのか？
貪欲に探してやっていこう！

それで「点数を取れるアタッカーにするには？」なんてスレッドたてて相談してみたりしてます。

2006年11月現在
Ｙ中バレー部　1年生1名、2年生9名　新潟県内中越地区１２校中５位以内にはいます。
まだまだこれから！Ｙ中ガンバ！


そんな中でここにUPしてみました。
ここまで書くと近くの人が見たらほぼ誰が書いているかわかってしまいます…(笑)

こんな風にバレーボールを関わっている人間もいるんだ・・・
というのを報告してみます。

今後も、Ｙ中バレー部強化の為にいろいろご指導お願いするかもしれませんが
そのときはお願いします。
(私の語彙の乏しさゆえの下手な文章には目をつむって下さい！)