メイン 1 - バレーボール技術戦術掲示板 球質・・・重さ、軽さの違いは何が原因なのか? | 投稿するにはまず登録を |
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たれいらん | 仮説「錯覚説」 / 投稿日時: 2006-8-24 15:07 |
管理人
登録日: 2005-12-8 投稿: 391
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
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この問題は昔から私も考えていました。そこで、私の仮説を聞いていただきたいと思います。
ですが、その前に私の高校生のころの思い出話をいたしましょう。 そのとき私は学校のちょっとしたピロティでテニスもどきの遊びをしていました。バドミントンのラケットで。 ボールは普通の硬式テニスボールを使っていたので、しばらくして案の定ラケットはフレームが折れてしまいました。その時の私はそんなことにも考えが及ばなかったのです。若気の至りです(?)。道具と言うのは正しく使うべきですね。 そのときの経験を忘れてしまってはラケット君も浮かばれませんので、詳しく思い出してみましょう。私はけっこう思いっきりラケットを振っていました。しかしボールはそのスイングスピードのわりにまったく速くはなりませんでした。この、テニスラケットと違いの出る原因はなんなのでしょうか。 その主な原因はラケットの重さにあると考えています。非常に高速ではあるものの、羽根(シャトル)という軽いものと衝突することが前提に作られたバドミントンラケットはテニスボールの重さと比較して軽すぎたわけです。バドミントンラケットはテニスボールを打つには軽すぎるのでボールは遅かったということです。 野球のバットを考えてもこれはよくわかる話だと思います。打球のするどさ、飛距離はスイングスピードだけで決まるわけではありません。もしそうなら全選手がルールで認められる最も軽いバットを使うはずです。実際はスイングスピードがあまり落ちないならバットが重いほど飛距離が伸びると思われます。 突然ですが話がいったん「滞空力」に飛びます。 「空中で停まるように見える」「重力が小さくなったかのように落ちてくるのが遅い」「時間の流れが遅くなったようだ」と思わせる選手を指して、「滞空力がある」と私たちは形容します。ジャンプ力は同じでも滞空力のある選手とない選手があるという話はあちらこちらで聞かれます。 もちろんこれは物理的にはありえない話で、高校物理初歩の知識がある人なら「そう見えるのは確かだけども、それは単にそう見えるだけだ」と言うでしょう(そう見えるというのもプレーの質を高めるうえで重要かもしれませんが)。ある意味、目の錯覚です。 本題に入ります。 私の仮説は、「ボールが重い軽いというのは目の錯覚だ」というものです。 上のグラフはオリビアさんが出して下さったものです。日本体育協会が発行している1981年(ワールドカップ81男子)と1982年(82日米対抗女子)の日本バレーボール協会科学研究委員会の報告書からだそうです。棒グラフが手先の速度で○印がボールの最大速度で、解説文には「一流選手の打撃の強さをスパイクされたボールの最大速度とインパクト字の手先の速度からみたものである。図中矢印の横の数値は手先の速度とボール速度との差である。黒い棒グラフが女子選手、白い棒グラフが男子選手を示している。一般に手先の速度が大きければ、ボール速度は大きくなると考えられる。しかし、図に示したように手先の速度の速度とボール速度との差が約3.1〜16.5 m/sと個人差がかなり大きいことから、強いスパイクをするには、手先の速度を大きくするとともにボールへの手の当て方も重要になってくると考えられる。」と書かれているようです。 手先のスピードとボールのスピードが比例していないのはなぜか。この問題は私の経験したバドミントンラケット破壊事件とつながりがあると考えています。上の解説文では「ボールへの手の当て方」と簡単に表現されていますが、言葉を補うと手だけではなく「ボールと衝突するときの身体全体の姿勢」が重要だと思います。 さて、これがボールの重さとどう関係があるのか、私の仮説を説明いたします。 スイングスピードが遅い人と速い人がいます。上のグラフでは、このデータがひとつのスパイクのデータなのかいくつかのスパイクの平均値なのかわかりませんが、山田選手はシリイエ選手より手先の速度は速いことになっています。そして、通常はスパイクスイングが速ければボールも速いだろうと予測してしまうはずです。 ところが、打球の速さはシリイエ選手の方が速く、山田選手を逆転しています。この現象を人間はどう解釈するか。この逆転現象を、「シリイエ選手のスパイクは重い」と判断するのではないか、というのが私の仮説です。この仮説では、山田選手に対しては「切れがある」と表現することが予想されます。スイングスピードが速いからです。 私の経験から検証してみますと、身体が小さかったり線の細い選手は「切れのある」スパイクを打つ場合が多い印象があります。身体が小さい、つまり腕の短い選手はスイング開始から完了までにかかる時間が短くて済むのでなおさらスパイクスイングが速く見えます。その見た目から予想されるほどには実際の打球が速くない場合、「切れはあるけどボールが軽い」と判断されると言えそうです。線が細い選手の場合、腕の質量が小さいのでやはりスパイクスイングに比較して打球は速くなりません。 逆に大柄な選手はまるで大砲のような重いスパイクを打つ印象があります。その選手は腕の質量が大きいため、スパイクスイングの速さのわりに打球が速くなるので重いスパイクのように見える、仮説からはそう説明できます。 もちろん身体が小さかったり線が細くても重いスパイクを打つように感じることもあるでしょう。それはその選手が抜群に切れの良いスイングを身に着けていたり、「ボールへの手の当て方」や「ボールと衝突するときの身体全体の姿勢」が抜群に良いのだろうと推測されます。 では、「ボールへの手の当て方」や「ボールと衝突するときの身体全体の姿勢」を良くするにはどうすれば良いのか、そこに興味がいくと思います。 この点についてはまだまだ検討課題としてとっておこうと思いますが、ればぁさんのご投稿の中の「体重を乗せなさい」という比喩はボールと衝突するときの身体全体の姿勢を改善させる指導言語かも知れないですね。 以上で私の仮説「錯覚説」の説明を終えますが、ともさんのおっしゃるボールの回転などもありえる話だと思いますし、錯覚説との並存は可能だと付け加えさせていただきます。 |
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