少年団でコーチをしています。
　うちの少年団には色んな子がいて、何ヶ月か前に手を怪我した子がいました。「学校で何をしてたの？」と聞くと「へびにかまれた」と言います。

「いつかまれたの？」

『朝』

「朝って、学校行く前に？」

『ううん、８時過ぎ』

　どうやら、学校に行くのをサボって野原で遊んでいたらしいんです（ｗ。少年団でしか会わないので、学校のことは全然知りませんでしたが、確かに少年団でも集中力にムラがあって、上達が止まっていました。
　そこで・・・

「バレーが上手くなるには、学校にちゃんといかないと駄目なんだよ。なんでか分かる？」

『どうして？』

「学校の勉強もバレーの練習も、習ったことを繰り返して覚えるよね。何事も上手くなるには、正しいことを繰り返す訓練をすることが大切なんだ。なのに、学校でちゃんと勉強できてないのに、バレーだけができるようにはならないよ。」

　それを聞いた彼は黙り込みました。彼はバレーが好きだったのですが、もう一つ上手になれないことに、不安があったのかもしれません。まず学校に間に合うようにいくこと。それだけをまずは頑張りなさいと言いました。そして密かに同級生の子に、彼が遅刻を繰り返すのなら教えてねと言いました。

　そして気が付けば数ヶ月がたちました。同級生の子から彼の遅刻の話を全然聞かなくなった頃、彼は上級生を抜いてレギュラーとなり、後衛のレシーバーとして無くてはならぬ存在になりました。他の子よりも先に声も出すようになり、今では彼が周りを引っ張るようになりつつあります。これは担任の先生や友達の尽力だとは思いますが、ぼくは、おそらく彼の中で芽生えた何かの力だと、今は思っています。

　偶然始めたスポーツとはいえ、バレーボールの偉大さに、改めて学ぶ機会となりました。きゅうさんもバレーがあって、良い仲間に恵まれて本当に良かったですね。あせらず、気負わず、素直な気持ちでこれからも頑張ってください。ぼくも応援しています。