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ドライブ回転

  ボールヒットでもう一つ考えなければならないのは打たれたボールの回転についてです。

  赤矢印のようにボールの進行方向にボールの上から下へ向かう回転を「ドライブ回転」または「トップスピン」と呼んで、青矢印のように反対方向の回転を「バックスピン」と呼んでいます。バレーボールのスパイクではボールの勢いが増して、レシーバーの手前に落ちる軌道となるドライブ回転がよいとされます。


球技においてボールの回転のかけかたは大別すると二通りあります。

(1) ボールを「こする」

  卓球に代表されますが、ボールコンタクトの面をボールにそってこすることで面の摩擦力でボールが回転します。このタイプは卓球以外でも野球のピッチング、サッカーのキック、ゴルフ、バスケットボール、テニスのサーブ等で見られます。ちなみに野球のピッチングのストレートボールはバックスピンをかけます。


(2)ボールの中心を外してヒットする

  ビリヤードのトップスピンのかけかたは左の絵のようなボールの中心より上にキューを当ててかけます。中心より下に当てればバックスピンがかかります。(ただ、これも厳密に言えば力を中心方向と接線方向に分解した接線方向の力が回転を起こしていますから、ボールをこすっているとも言えます。)



  バレーボールではどうでしょうか?先程見たように手は指根部がボールの中心をヒットします。

  ボールにトップスピンを与えているのは手のひらの摩擦が卓球のラケットのようにボールを回転させるのか、指の部分がビリヤードのキューのようにボールの上の部分を叩くためか…。

  回転をつけることを考えるために、逆に回転をつけない技術をサーブを参考にして考えてみます。

ジャンプフローター(無回転)サーブ
ジャンプ(ドライブ回転)サーブ

  上の写真はともにジャンプしたサーブですが、左は無回転、右はドライブ回転のサーブです。

無回転サーブ

  無回転サーブではボールに当たる手のひらの面のボールへの接触点はボールの飛ぶ方向に平行移動します。このためボールをこする摩擦力が発生しません。

ドライブ回転

  ドライブ回転を与えるサーブでは基本的にはスパイクスイングの腕と手の使い方は一緒です。手は瞬間的にボールに当たるものの、今まで考えて来た様に手のひらの面は前腕と手首の動きにより平行移動だけでなく、ボールの上を移動する様に動きます。

  手はボールに瞬間的に当たるにしても力の入り方は手根部と指根部で時間の差があります。結局これがボールをこすり上げる動作となり、ドライブ回転につながるのではないでしょうか?もちろん指の部分のヒットがあればこの力は増強されます。しかし、このドライブ回転を生む動作にしても指の部分のボールヒットは絶対に必要な動作とは言えないと思います。指のヒットポイントはボールの上半分に当たりますからビリヤードのボールをキューでドライブ回転をつけるようにこの部分を叩けばドライブ回転をかけることは可能と思いますが、指の力はそれほど大きく無いので強いドライブ回転はかからないと思います。
  この点に関しては私もまだ分からないことが多く、みなさまのご意見をいただけたら幸いです。



最後に…

 ボールヒットを中心にいろいろと述べました。どうしたらいいヒットが出来るのかはまた難しい問題だと思います。多くのボールを打ってわかって来るのだと思いますが、ある本で目にした「ボールの真上を叩く気持ちでヒットしなさい。」という言葉が非常に心に残っています。手のひらの位置が最適の所に来て、優れたヒットにつながると思うからです。
  以前、元全日本男子の大エースが話しているのをお聞きしたところ「自分はスナップなど意識せずに手を思い切りボールにぶつけることだけを心がけていた」という事でした。別のやはり大エースだった方は著書で「最適な手のひらの形は平手であり、ボールは手のひら全体で打つ感じである。手のひらの中心点でたたくのがいいという人もいるが実際に打っている時にそんな小さなポイントを感じたことはない。」と述べていて、「指も手のひらも全体に“打球感”が残る。」と書いていました。
  ボールヒットは手を勢いよくボールに叩きつけるうちに身について来る技術なのでしょう。ボールヒットはヒットに至るスイング動作から考えるべき総合的な問題ですから、しっかりしたスイングが出来ていれば最終段階のボールヒットを考える必要は少なく、逆にスイング動作に問題があればいくらボ―ルヒットにこだわってもいいスパイクは打てないと思います。
  “snap”が「パチンと音が出るような動き」である元の意味を考えるとこれらの名選手が教えていることが本当の意味の“snap”なのかもしれません。

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