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わかおじさん 南の国を訪問  /  投稿日時: 2009-3-4 14:26
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-10-4
投稿: 58
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
いつもは、観戦・思い出BBSに書き込むのですが、内容からみて、
こちらの掲示板がふさわしいかと思います。

定期的に南の国を訪問していますが、今年の夏は、ちょっといつもと違った
思い入れの深い訪問になりそうです。


昨年末久々に、タイ・ラオス国境地帯を訪問いたしました。

訪問先はラオスとの国境に近い、サコーンナコン県パンコーンという小さな町です。
ここには7年前から学費支援をしているフォンという女の子が住んでおり、短大で会計士の勉強をしています。

初めて出会ったのは彼女が12歳の時でした。

NGOの仕事で、支援先の学校に学用品と奨学金を提供するために、メコン川沿いにある
ナコーンパノム県ナーワー郡コークサード村の中学校を訪問しました。
生徒数200人ほどの小さな学校で、生徒の家は99%が農業で生計を立てています。
農業といっても半分くらいは、いわゆる小作農で、自前の田畑をあまり持っていません。
農閑期になると、父親はバンコクやアユタヤなどの都会に出稼ぎに行きます。
凶作でお米があまり取れなかった年は母親も出稼ぎに行くことが多く、その間、子供たちは親戚に預けられて、村で生活します。
農業での村人の平均年収は4万円ほどです。出稼ぎに行けば、その5倍は稼げます。

フォンの父親も毎年出稼ぎに行っていましたが、ある年から音信不通となり、村に帰って来なくなりました。このようなケースはよくあります。

私は中学校での勉強を諦めようとしていたフォンに、高校卒業までの学費支援を申し出ました。
他にも貧しさから学校を中退する子供たちは多いのですが、私が彼女に支援を申し出たのは、彼女が陸上のアスリートとして素晴らしい才能を持っていたからです。

フォンの中学校で女子生徒に一番人気のスポーツはバレーボールです。
私の持ち込んだ4個のボールは、大事に使われていました。
バレーコートは2面あり、昼休みや放課後は3〜40人の生徒がバレーを楽しんでいます。
陸上選手ですがフォンもバレーボールは大好きです。
ボール一個で大勢の生徒が楽しめるので、学校もバレーボールを奨励しています。
また、道具をそろえる必要の無い陸上競技も人気があります。

陸上の中距離選手として、フォンは順調に記録を伸ばしており、私も毎年の訪問を楽しみにしていました。
そして訪問の都度、バレーボールを学校にプレゼントしていました。

しかし、高校1年生の秋に風邪をこじらせたフォンは腎臓を痛め、日常生活には支障がないほどに回復しましたが、陸上選手としての再起は無理でした。

日本では考えられないことですが、栄養状態のあまりよくないこの地域では、ちょっとしたことで体を壊します。

陸上を諦めた彼女ですが、会計士になるという新たな目標を持ち、勉強に励んでいます。
そして、アルバイトで貯めたお金で母校の中学校へ、バレーボールを贈り続けています。


今年の夏、私とフォンは、母校にバレーボールのネットを贈る計画を持っています。
オリビア Re: 南の国を訪問  /  投稿日時: 2009-3-5 12:31
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5
投稿: 352
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
こんにちは お久しぶりです。

興味深い情報ありがとうございます。
よく読みますと、胸が痛くなるような内容ですね。
最近、学生スポーツによく関わっていますが、日本の学生とこのような地域でスポーツをしている学生とではかなり開きがあるように思います。

先日のバレーボール学会でタイのバレーボール協会の方の話をお聞きましたが、「バレーボール協会全体の年予算が1億五千万円でそれで男女のインドアやビーチのチームをまかなっている。現在、女子のナショナルチームはアジアで4位、男子はアジアで6位である」と報告されていました。日本は彼らの何倍もの予算を持っているわけですが…。

私はこれだけの予算で頑張っているタイの方が「経済効率」は上ではないかと思いました。彼らに学ぶことはきっといっぱいあるんだろうなと思っています。

また、面白いご報告をお待ちしております。
わかおじさん Re: 南の国を訪問  /  投稿日時: 2009-3-7 2:17
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-10-4
投稿: 58
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
オリビア様

ご無沙汰しています。
本当にタイの協会は、少ない資金で頑張ってると思います。

NGOの活動を始めてもう8年になりますが、たまたまタイの事務局長が
元タイ代表の男子選手で、現在もバンコクの子供達の指導をしています。

現役時代は日本にもよく来ていたようで、前日本女子チーム監督の柳本さんのチーム(日新製鋼や新日鉄)で合宿をしていたそうです。
また、現タイ代表女子チームの監督さんとはチームメイトだったそうです。

私の兄と柳本さんは高校時代のクラスメイトでした。私自身も新日鉄には合宿
でお世話になっていましたので、彼とはその当時のバレーの話で盛り上がります。不思議な縁を感じます。

バレー好きはバレー好きを呼ぶのでしょうか。


「面白い報告をお願いします。」とのことですが、いつかタイのオカマちゃんバレーチームの
話をしたいとは思っています。(^^;

彼らは(彼女?)バレーは好きですが、男性も好きという、摩訶不思議なチームです。
タイの全国選手権(日本の国体のような感じ)で優勝したので、映画にも取り上げられました。
タイ語での題名は「サトリーレック」(日本語で鉄の女)ですが、日本での公開時の邦題は「アタック・ナンバー・ハーフ」だったような。。。。

いつかまた詳しく。
ナゾノヒデヨシ ひらめき!  /  投稿日時: 2009-3-7 9:50
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5
投稿: 715
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
いつも考えさせられるお話を感謝しております。

日本の代表選手ってなんで自分がそこにいるか?は考えさせられていて「メダルを取るため」とか簡単に言いますが、『何故そこにいることができるのか?』とか『何故バレーボールに集中できるのか?』を人として考える機会があまりにも少ないのではないでしょうか。

今のこの社会で国のトップチームに求められているのはメダルありきではなく、過程の素晴らしが人々に感動と勇気を与えているのだ思うこの頃、経済効果だけではなく他の面でもタイなどの後進国に遅れをとっていると考えています。

代表選手は、タイやベトナムなどのナショナルチームに分散して1週間でもいから彼らと同様の環境で練習し、食事をし町の人々の生活を肌で感じて「人間再教育」をするのも選手育成として必要なのではないかと思いました。

今回の学会はタイの指導者の方々がレクチャーされたので行けなくてとても残念でした。
オリビア Re: ひらめき!  /  投稿日時: 2009-3-7 23:31
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-5
投稿: 352
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
引用:

ナゾノヒデヨシさんは書きました:
日本の代表選手ってなんで自分がそこにいるか?は考えさせられていて「メダルを取るため」とか簡単に言いますが、『何故そこにいることができるのか?』とか『何故バレーボールに集中できるのか?』を人として考える機会があまりにも少ないのではないでしょうか。


ヒデヨシさん こんにちは

私も協会の仕事をはじめたばかりの時はバレーボールエリートの側にいるだけで「すげぇ」という思いでいっぱいでした。しかし、彼らのことがわかるにつれて、「バレーボールエリートは必ずしもアスリートとしてのエリートではない」ということが見えてきました。この辺を彼らにもっとわかってもらうことも仕事かな?と思っています。

この場を借りて、バレーボール学会で話題になった話を少しだけ書きたいと思います。サッカーではJリーグが主導となり、学校スポーツに見切りをつけて地域スポーツクラブでのスポーツ振興をしていました。有望な年少選手を集めてサッカーをさせて、練習場に近い学校に通わせるというスタイルです。また、Jリーグでは必ず、ジュニアチームを持つ事か登録の条件となっています。バレーボールもそれを見習って貝塚でのドリームチームを立ち上げました。いわば、各スポーツ団体が若い選手を囲い込み(青田刈り)をする方向に向かっていました。

ところが、この競技団体の先陣を切っていたサッカーが、今までのスタイルをやめて、「学校スポーツ」での選手の育成に目を向けているということです。やはり、団体競技の選手は「○○中学」「○○高校」という学校単位のチームに属して、強くなって行く方が良いという見直しです。この辺の議論はなかなか結論が出ないかとは思います。「一貫指導」という言葉は囲い込みにつながるようにも思います。各所属チームに分散すれば、全日本はどうしても「寄せ集めチーム」にしかならない。しかし、ドリームチームでは帰属意識の問題もある…。

何を言いたいかわからない文章となっておりますが、少子化、バレーボール人口が減っている中で、日本が何を目指すかを真剣に考える時にあると思います。
Re: ひらめき!  /  投稿日時: 2009-3-8 23:20
へりくつ道場師範
登録日: 2006-1-9
投稿: 339
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
オリンピックに出たバレー選手の話・・又聞きですが。

バレーの選手は、オリンピックに出るということがものすごいことだというのを、選手村で他競技の選手と話をしていて初めて感じるのだとか。

世界大会を日本で開催することが多くて、それと同じような感じになっているのかな・・・?女子だけかもしれませんが。
わかおじさん Re: ひらめき!  /  投稿日時: 2009-3-25 1:09
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-10-4
投稿: 58
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
ナゾノヒデヨシ様
日本代表選手の心構えに関しては、近くで見る機会があまり無いので
よくわかりません。
ただ、ワールドグランプリなどで外国チーム(ペルーやキューバなど)付きの役員をする機会が何度かあり、その時に、「彼女達はいつも国家を意識している」ことを感じました。
共産国であるキューバの選手は、基本的に「国家公務員」であり、ペルーの選手は「国旗を背負っている」意識が強かったです。

また、他の途上国の選手達は(どの国とは言いませんが)援助慣れしている部分があり、海外で試合ができることに、感謝の気持ちが薄いように感じました。

日本の代表選手達に社会人としての経験が少ないのは仕方ないことかもしれません。
「生活することが大変な状況でバレーをする」という経験は、今の日本では持つことが
難しいと思います。
それだけに、「心構え」を指導することが、代表チームの監督の大事な役目かもしれませんね。
わかおじさん Re: ひらめき!  /  投稿日時: 2009-3-25 1:11
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-10-4
投稿: 58
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
T様
この話は私も聞いたことがあります。ただし、別の競技の選手からです。
どうやら、日本の選手達は同じような傾向があるようです。(笑)

原因として、選手村に入らずホテル暮らしをする選手が多いことや、競技の直前まで日本で調整していることもあるようですね。

お金持ちの国だからできるというか。(基本的に選手村はタダ)

他の国の選手達と若者同士でコミュニケーションを取り、交流を深めることが、オリンピックの目的の一つだったように思うのですが。

ただ、前回の北京オリンピックでは、多くの競技の選手が選手村で生活していた
ようなので、少し、明るい展望が見えてきたと思います。
わかおじさん そうですか。  /  投稿日時: 2009-3-27 1:20
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-10-4
投稿: 58
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
オリビア様

選手の囲い込みの件は、私も感じるところがあります。

一番の原因は、やはり「少子化」ですね。
本当に、子供たちが少なくなっています。

それだけに、学校単位で共通の目標を持つことが見直されているのかも
しれません。

また、クラブでは上下関係を学ぶ機会は少ないと思います。

実力があればレギュラーになれることと、社会に必要な人間関係を学ぶこととは
両立しにくいでしょうね。
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