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投稿者 スレッド
クッキー スタートのポジション  /  投稿日時: 2006-3-25 3:50
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-3-25
投稿: 61
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
よくナショナルチームのスターティングラインナップで
レフト(エース)がセンター対角からスタートするのを見かけますが
あれはどういった意図からなのでしょうか。

またその場合、前衛レフトから始まるのはライト(スーパーエース)ですか
センター(ミドルブロッカー)ですか?

そしてセンター対角にレフト(エース)を置く場合、
第一エースは前衛のセンターなのでしょうか後衛のセンターなのでしょうか。

自分なりに考えると、
・エースの前衛の機会を均等にするため
・バックアタックを絡めるため
・相手スーパーエースのブロックに自軍センターを当てるため
くらいしか思いつきません。

他のスターティングの位置などがあったら是非その意図と併せて
お話を聞かせて下さい!
たれいらん Re: スタートのポジション  /  投稿日時: 2006-3-25 5:02
管理人
登録日: 2005-12-8
投稿: 391
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
クッキーさんこんばんは。

引用:
よくナショナルチームのスターティングラインナップで
レフト(エース)がセンター対角からスタートするのを見かけますが
あれはどういった意図からなのでしょうか。

レフトプレーヤー(エース)がレフトから始めなければならないというルールは無いので、(1)一番強いローテーションから始める(2)一番弱いローテーションになる場面を少なくする(3)相手とのかけひき などの理由でローテーションをずらして始めることがよくあります。

通常は(1)と(2)の理由から、スーパーエースを前衛レフト、その対角のセッターが後衛レフトの位置からスタートすることが多いです。




これはいずれ書こうと思っていた話題ですので少し詳しく書きましょう。

まず、スタートの並びは大きく二種類に分けられます。下図の右か左ですね。Lはリベロではなくてレフトプレーヤー、Cはセンタープレーヤー、Rはライトプレーヤーです。セッターは普通ライトでプレイするのでRに含めています。

当然ここからローテーションをいくつか回した形でスタートすることもあります。例えば前衛が左からセンターライトレフトで始めるのは、図の左のパターンに含めます。

引用:
クッキーさんは書きました:
よくナショナルチームのスターティングラインナップで
レフト(エース)がセンター対角からスタートするのを見かけますが
あれはどういった意図からなのでしょうか。

またその場合、前衛レフトから始まるのはライト(スーパーエース)ですか
センター(ミドルブロッカー)ですか?

クッキーさんがおっしゃるエースがセンターからスタートで前衛レフトがスーパーエースというパターンは図の左のパターンです。図からひとつだけローテーションした形ですよね。
エースがセンターからスタートで前衛レフトがセンタープレーヤーのパターンは、図の右のパターンです。図からひとつだけローテーションをまわした形です。

バレーボール100Q入魂では、Q37で図の左の並び方を「フロントオーダー」、右の並びを「バックオーダー」と呼んでいます。図の左のパターンでは、前衛がレフトセンターライトというわかりやすい順に並び、図の右のパターンではここから2つローテーションしたときにちょうど後衛がレフトセンターライトというわかりやすい順序になるからです。

では、現代バレーではフロントオーダーとバックオーダーのどちらが優勢なのか。同書によりますと、アテネオリンピックでは出場男子チームの全てがバックオーダーだったそうです。その理由として挙げられていたのはセッターが後衛レフトに位置するときの、移動距離を短くするためというものです。トップレベルではスパイクサーブも強烈ですから、セッターの移動距離は短いに越したことはありません。

私は一般レベルでもバックオーダーが優れていると考えますが、話がそれるのでその理由はまた今度にいたします。


引用:
そしてセンター対角にレフト(エース)を置く場合、
第一エースは前衛のセンターなのでしょうか後衛のセンターなのでしょうか。

第一エース、第二エースという考え方は男子トップレベルではあまりしないと思います。一番打てる選手はスーバーエースの位置に置くからです。一般レベルでのレフトプレーヤーの仕事はレフトスパイクを決めることですが、トップレベルではサーブレシーブにより重点が置かれているので、スパイク力だけで第一エース第二エースとは考えないと思われます。

引用:
自分なりに考えると、
・エースの前衛の機会を均等にするため
・バックアタックを絡めるため
・相手スーパーエースのブロックに自軍センターを当てるため
くらいしか思いつきません。

んー、失礼ながら私にはどれもあまり理由にならないように思えます。他の方がその理由を見出してくださるかもしれませんけど。

クッキー 恐縮です。  /  投稿日時: 2006-3-25 12:13
へりくつ道場黒帯
登録日: 2006-3-25
投稿: 61
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
たれいらんさんありがとうございます。
こんな漠然とした私の質問に丁寧なご回答ありがとうございます。感激しました!

セッターの移動距離が有利になるというのは魅力ですね。
是非試してみたいと思います。

重ねて質問で申し訳ないのですが、
一般的なチームでもバックオーダーの方が良いというお話の部分で、
エースの2人のスパイクに差があったり、スーパーエース的なライトがいないチームではどうするべきなのでしょうか。

たれいらんさんから頂いた回答のおかげで、凄く興味のある話題になってきました!
たれいらん 一般レベルでのバックオーダーの利点  /  投稿日時: 2006-3-26 5:12
管理人
登録日: 2005-12-8
投稿: 391
年齢区分: 20歳以上
バレー暦: ウン十年
性別: 男性
クッキーさんこんばんは。喜んでいただけてうれしいです。

先に昨日もったいぶった一般レベルでのバックオーダーの利点を考えて見ます。

一般レベルではレフトふたりとライトの合わせて三人のスパイク力は「表エース>裏エース>ライト」となっていることが多いと思います。そしてふたりのレフトはライトスパイクよりレフトスパイクのほうが得意だとしましょう。また、4〜5人でサーブレシーブをするフォーメーションを採ってレフトライトともにサーブレシーブの要だと考えます。


この場合、フロントオーダーだとサーブレシーブからの切り替えしで、前衛が3枚(セッターが後衛)のローテーション三回のうち、二回はライトプレーヤーがレフトスパイクを打つことになってしまいます。つまりレフトプレーヤーはライトスパイクを打たなくてはなりません。
バックオーダーを採っていれば、ライトプレーヤーがサーブレシーブからの切り替えしでレフトスパイクを打つローテーションは1回で済みます。残り二回はレフトプレーヤーはレフトスパイク、ライトプレーヤーはライトスパイクという本来のプレーが出来ます。

このことを知らないでポジションを決めると「ごちゃごちゃしてなんとなくやりにくい」と感じると思いますが、サークルなどで即席チームを作ったりすると自然とフロントオーダーになりがちなんですよね。


引用:
クッキーさんは書きました:
一般的なチームでもバックオーダーの方が良いというお話の部分で、
エースの2人のスパイクに差があったり、スーパーエース的なライトがいないチームではどうするべきなのでしょうか。


弱点となるローテーションを作らないことを優先した場合を考えます。
スパイク力やブロック力に優れているレフトをL1、センターをC1として図示してみました。

バックアタックがないので、前衛が2枚の時のサーブカットの切り返しが重要です。そこでL1とC1でセッターを挟むことにより、前衛2枚のとき必ずどちらかがスパイクを打てる形を作っています。
もちろんスタートはこれよりローテーションを回した形でも構いません。例えばL1とLの差よりC1とCの差が大きい場合、C1を前衛レフトから始める場合もあります。

先に申し上げたとおり、以上は弱点ローテーションを作らず連続失点を防ぐことを目的とした考え方です。積極的に点を取りに行くためにブロック力のある3人をそろえるという考え方や、セッターのブロックが低いのでセッターが前衛になる場面を減らすことを優先させたりする考え方の場合などでは並びも変わってきます。
しかし、ほとんどの考え方でバックオーダーのほうが優れているとは言えると思います。
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