『魂』を揺さぶる読み物


バレー海・・・byナゾノヒデヨシさん 2005/05/13


 芭麗人先生のお話には及びませんが、会うたびに人間が素晴らしくなって僕が誇りに思う男の事を紹介したいと思います。
 彼に最初に会ったのは、中学校の県大会でした。中2の秋で184くらいありましたが、なんだかやる気がなさそうな男でした。たまに、なんで?というような凄い一発はありましたけど好みの選手ではなかったです。
 その12月、さわやかのスタッフで僕は初めて全国デビューをしてメダルまでいただいてしまいました。こんな、檜舞台には二度と上がれないだろうと表彰台で思い、次のスタッフを要請されても(その時点で打診がありましたけど)断る決意をしました。勝ち逃げがいいですもの。次の学年、そう、その「彼」の学年は大きいがパスもレシーブもできない、間違いなく勝てない選抜チームになること間違いなしだったからです。
 しかし、結局断りきれず乗り気のないまま、選考会が始まりました。選抜に受け入れる条件は、「高校へ行ってバレーボールを続ける意志」くらいでした。彼との面接で、高校行ってどんな選手になりたいか?という問いに対し、彼はそっぽを向きながら「う〜ん、ディレクターになりたいのでバレーをすらうかなぁ」なんて答えてくれました。監督は「あいつはいらん!」と激昂。僕は、どうせ勝てないなら見栄えで目立とうってことで監督を説き伏せて12人目で選びました。
 本人の希望は「レフと」。しかし、どうも…。
11月の橘高校での合同練習で通用しなかったら「センター」宣言ってことで、結局僕の罠にしっかりはまってしまいました。
 12月の本戦は、あれよあれよと決勝まで。彼の鬼ブロックは脅威でした。
 その頃には、ガッツのあるいい選手に成長してました。それだけでも「変わるもんだなぁ」と嬉しく思いました。
 その後、市立F高校、J大と進学、彼が4年生のときさわやかの合宿でJ大にお世話になり、久しぶりに話をしました。「卒業したらどうすんだ」
「バレーで飯を食いたいと思ってます」と答えてくれました。その時、「ほんと?」と思ったのも事実です。下級生にやはり教え子がいたので、「彼はどう?」って聞きました。そしたら「自己管理が素晴らしいし、先輩の中で一番取組が前向きです」との答えでした。驚きました。やっぱり、そうでなきゃ1部でレギュラー張り続けることできないのかぁ、と感心しました。
 で、結局彼は、VのNへ。今、31歳で今季が現役最後のようです。
 2年前は、Vの終わった次の日に島に自腹で遊びに来てくれて、保育園児から高校生まで、バレーを教えてくれました。
 この3月にも、突然呼び出して、練習会場から直接車で2時間半かけて、ある高校まで駆けつけてくれました。そして、高校生に指導をしてくれました。
 謙虚で、物静かな青年です。全日本に選考されることも無く、Vでユニホームを9年着用するなんてことはなかなかできないと思いますが、彼は淡々と実行したようです。
 一緒に集まったメンバーで食事をしましたが、終始にこやかで、優しい彼の人柄に僕も引き付けられるものがありました。
 バレー海が彼を育ててくれたし、育んで貰えるよう努力をしたんだなぁ、と嬉しく思いました。やっぱり、バレーボールって不思議な魅力がある競技であり、また世界であり、大きな海のようだと彼のことを考えるたびに目の前の海原が眩しく思えるのです。
 (芭麗人先生風に真似ましたが、足元にも…。僕はやっぱり毒吐き役…。)

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